今年の健診結果はいかがでしたか?
健診は受けて終わりではなく、その結果を生活習慣の改善や治療につなげることが大切 です。
わずかに基準値から外れていても過度に心配する必要はありませんが、
その変化に注意を払うことによって病気の早期発見・早期治療に役立ちます。
以下に各検査項目の基準値や、検査値の意味などを解説していきます。
各種検査項目
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身体計測
身長と体重から計算します。
[BMI=体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)]
BMI22前後がもっとも生活習慣病の発症が少ないといわれています。 -
血圧
血管に加わる圧力を測定します。
塩分過剰摂取・肥満・ストレスなどが影響するといわれています。
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血液一般
- 白血球
- 生態防衛機能を持っており、感染症などで上昇します。
白血病では腫瘍性増殖のため異常細胞が認められます。
- 赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット
- 貧血・多血症の診断に用いられます。
栄養(特に鉄分)が不足したときや、胃潰瘍・子宮筋腫などによる出血が原因で貧血が起こることもあります。
- 血小板
- 生体内の止血に関与しています。
減少すると出血傾向、増加すると血栓症を起こしやすくなります。
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脂質代謝
- 総コレステロール
- 血中コレステロールの総量です。
コレステロール値が高くなると、動脈硬化の原因となります。
- 中性脂肪
- 主に食事から吸収され、
エネルギーとして利用されます。
過剰分は皮下脂肪や肝臓の脂肪として蓄えられます。
食事による影響が大きく、空腹時の検査が必要です。
- HDL-C
- 動脈硬化を防ぐ働きがあるため、善玉コレステロールとも呼ばれています。
- LDL-C
- 動脈硬化を促進させるため、悪玉コレステロールとも呼ばれています。
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糖代謝
- 血糖値
- 糖尿病の検査です。
食事内容や食後経過時間により値が変化します。
- HbA1c
- 過去1-2ヶ月の血糖状態を反映し検査当日の飲食の影響を受けません。
血糖値が高い状態が続いていると高値になります。
- 尿糖
- 糖尿病の検査です。
血糖値が高いと尿中に糖が排出されます。
正確には血糖の数値と比較してみる必要があります。
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肝機能
- AST(GOT)・AST(GOT)
- 肝臓・心臓・骨格筋の細胞内に存在する酵素で、細胞障害がおこると上昇します。
- y-GTP
- 肝・胆道系の病気で上昇する微量酵素です。
アルコール性肝障害では禁酒により2-3週間で改善を認めます。
- ALP
- 骨・肝臓の細胞内にある酵素で、細胞障害がおこると上昇します。
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尿酸
摂取過剰(甲殻類、肉類、アルコール)、腎からの排泄障害で上昇します。
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腎・尿路系
- 尿蛋白
- 腎・尿路系の病気の有無をみます。
- 尿潜血(血尿)
- 腎・尿路系からの出血の有無をみます。
- クレアチニン
- 腎臓から尿中に排出され、腎機能が低下すると上昇します。
- eGFR
- 腎機能の指標です。
早期の腎機能障害が発見できます。
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便検査
- 便潜血
- 消化管からの出血の有無をみます。
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胸部X線
肺がん・肺結核・肺炎等の有無を調べます。
心拡大や大動脈の状態も知ることができます。
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心電図
心臓の拍動時に出る電位をとらえて異常の有無をみます。
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腹部エコー
超音波を用いて臓器を調べます 健康診断では、肝臓、胆道(胆のう・胆管)、すい臓、ひ臓、腎臓などの検査を主な目的としています。
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胃検査
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ABC検診
胃粘膜萎縮マーカーのペプシノゲン検査と胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因と言われているヘリコバクター・ピロリ抗体2つを組み合わせて胃の健康度を調べる検査です。「胃の健康度」に応じて4タイプにリスク分類(ABCD判定)します。
- ピロリ抗体検査
- 血液検査でピロリ菌に対する抗体の有無をみます。
- ペプシノゲン
- 血液検査での胃の萎縮を調べる検査です。
胃がんになりやすいかどうかがわかります。
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眼底
眼底の網膜の状態(出血・白斑)や動脈硬化の程度を調べます。
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眼圧
眼球の内圧を計測します。主に緑内障の発見を目的とします。
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乳がん検診
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子宮頸がん検診
- 子宮頸部細胞診
- 子宮頸部の細胞を採取し検査します。
子宮頸がんの早期発見に役立ちます。
- HPV
- 細胞診同様、子宮頸部の細胞を採取し検査します。
子宮頸がんの原因になるHPVに感染しているかを確認する検査です。
- 経膣工コー
- 子宮や卵巣の病変を超音波を用い検査します。
基準値一覧
委任状
健康診断結果書類の再発行をご希望の方は、お申し出頂ければ発行致します(再発行手数料が必要)。
原則として、受診されたご本人様への健診センターでの直接お渡し、郵送(送料別途負担)となっておりますが、代理の方にお渡しすることも可能です。
下記より委任状を印刷、必要事項をご記入の上、代理の方が健診センターまでご持参ください。
よくあるご質問
- 健康診断の結果に「再検査 」や「要精密検査」と記載されていました。
これらの検査はどこで受けたらよいのでしょう。 -
主治医の先生がいらっしゃる場合には、まず主治医に結果を見ていただいてください。
主治医がいない場合は、項目によって受診科がことなりますので、まずは当センターにお問い合わせください。
- 便潜血で「要精密検査」の指示が出たのですが、どうすればいいですか。
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2日間の検査のうち、1日は陰性だったとしてもがんの可能性がありますので、「どうせ痔だろう」
「自覚症状がないから」などの自己判断をせず、必ずお近くの消化器内科をご受診ください。
- 「要精密検査」となり、紹介状がほしいのですが ...
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検査項目や所見によってはお近くの医療機関をお勧めする場合がございます。がん検診項目にて総合病院をご希望される場合は、希望医療機関宛の紹介状を作成いたします。また、画像データもDVDに焼いてお渡ししています。
いずれも有料となりますが、お持ちでない場合は、特別初診料がかかりますので、紹介状を持参されることをお勧めいたします。
- 「精密検査報告書」は紹介状ではないのですか?
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紹介状ではございませんが、検査結果とともにご持参いただきますと、受診先の病院でスムーズに精密検査をお受けいただけます。
- 「精密検査報告書」を持参し、精密検査を受けましたが、再度検査の案内が届きました。
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健診から3か月後に病院からのお返事がない方にお送りしております。
すでに病院を受診されていた場合はお手数ですが、アンケートにその旨をお書きいただき、返信用封筒にてご返送ください。